フロアライフを超過したMSL部品や、開封時にHICカードの色が変わっていた部品は、はんだ付け前にMSLとパッケージ厚さからJ-STD-033の表を引いてベーキング(再乾燥)が必要です。ベーキング後は、新しいアルミ防湿袋、新しい乾燥剤、新しいHICカードで再梱包することをPRIMEAGはおすすめします。注意:樹脂リールの多くは125 °Cに耐えられません。
「MSL アニール 梱包」で検索される方の多くは、湿気に敏感な部品のベーキングと再梱包を探しています。背景にあるのは、袋から出したまま期限を過ぎた部品リールを、どうすればSMTラインに再投入できるかという問題です。
- 期限超過ならベーキング:フロアライフ超過、またはHICのドットが変色していれば、そのままはんだ付けしない。
- 温度・時間:J-STD-033の表を参照し、メーカーラベルを優先。
- 樹脂リール:多くは125 °Cに耐えられないため、トレイに移すか温度を下げる。
- 一式で再梱包:アルミ袋、乾燥剤、HICカードはすべて新品に。口をヒートシールし、日付を記入。



1. MSL部品のベーキングが必要になるとき
第1の判断基準は、≤ 30 °C/60 % RHでのフロアライフです。MSL 3は168時間、MSL 4は72時間、MSL 5aはわずか24時間で、開封のたびに累積します。
第2はHICカードで、開封した直後にカードに印刷された色見本で読み取ります。10 %ドットが変色していればMSL 2a~5aはベーキングが必要、60 %ドットが変色していればMSL 2も同様です。MSL 6は使用前に必ずベーキングします。
2. 温度と時間の選び方:推測せず表を引く
J-STD-033にはMSLレベルと部品本体の厚さごとのベーキング表があり、125 °Cが一般的な高温条件です。勝手に時間を短縮したり温度を上げたりしないでください。メーカーラベルに個別条件が記載されている場合はラベルに従います。
樹脂リールやトレイの多くは125 °Cに耐えられず、反りや溶けが起きやすくなります。方法は2つあり、部品を耐熱JEDECトレイ(受注品)に移し替えるか、リールのまま表の低温条件で、はるかに長い時間ベーキングします。
ベーキングを繰り返すと端子が酸化し、はんだぬれ性が低下することがあります。ベーキング回数をラベルに記録してください。
3. ベーキング後の再梱包
正しい手順でベーキングすれば、フロアライフは最初からカウントし直しになります。すぐにラインに投入しない場合は、防湿梱包をやり直します。
梱包資材一式:アルミ防湿袋(MBB)サイズ350×500、600×400 mmまたは指定サイズ、不織布袋入りシリカゲル10/20/25 g、コバルトフリーの6ドットHICカード5~60 %(125枚または200枚入り缶)。詳細はシリカゲル乾燥剤とHICカードをご覧ください。
乾燥剤の量は、袋の面積、水蒸気透過率、保管期間から算出します。袋サイズをお送りいただければ、PRIMEAGがJ-STD-033に基づいてユニット数を計算します。軽く真空引きし、口をヒートシールして、MSL、ベーキング日、シール日を記入します。
4. 期限切れロットの処理でよくある失敗
- 開封済みの古い袋を再シールし、古い乾燥剤とカードをそのまま使う。
- ヒートシールの代わりに口を折ってテープで留める。
- 乾燥剤を何時間も作業台に出しっぱなしにする。
- HICカードの缶を開けたままにする。缶内の乾燥剤は3回開封したら交換を推奨します。
早見判定表
| 開封時・在庫点検時の状況 | 処置 |
|---|---|
| 10 %ドットが乾燥状態のまま、フロアライフ内 | そのまま使用 |
| MSL 2a~5a、10 %ドットが変色 | はんだ付け前にJ-STD-033の表に従いベーキング |
| MSL 2、60 %ドットが変色 | ベーキング。カードは廃棄し再使用しない |
| MSL 3を袋外で168時間超 | ベーキング |
| 樹脂リール上の部品 | 耐熱トレイに移すか温度を下げる |
| ベーキング後すぐ使わない | 防湿梱包をやり直し、口をシールし日付を記入 |
まずは開封時刻の管理台帳から
ベーキングが必要になるロットの多くは、開封時刻を誰も記録していないことが原因です。MSL 3以上の各リールに管理票を貼り、開封時刻と再封時刻を記入します。待機部品エリアは除湿機で低湿度に保つのが理想です。初回梱包についてはアルミ袋とHICカードによる湿気敏感部品の梱包、倉庫の湿気についてはMSL部品倉庫の湿気対策をご覧ください。
よくある質問
- HICカードのドットがすべて変色した部品はまだ使えますか? — はんだ付け前にJ-STD-033に従ってベーキングすれば使用できます。そのカードは廃棄し、再使用しないでください。
- ベーキング後は必ず再梱包しなければなりませんか? — すぐにラインに投入しない場合は、直ちに防湿梱包をやり直すべきです。新しい袋、乾いた乾燥剤、新しいカードを使い、口をヒートシールして日付を記入します。
- 樹脂リールのまま125 °Cでベーキングできますか? — 通常はできません。樹脂リールやトレイはこの温度で変形しやすいためです。部品をJEDECトレイに移すか、J-STD-033の表に従い低温で長時間ベーキングしてください。
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執筆:PRIMEAG 技術チーム
更新日:2026年10月23日
